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肺ガン(はいがん、Lung cancer)
病態生理
 肺ガンとは肺に発生する、上皮細胞由来の悪性腫瘍。90%以上が気管支原性ガン (bronchogenic carcinoma) 、つまり気管・気管支、細気管支あるいは末梢肺由来のガンである。WHOの試算では、肺ガンによる死亡者数は全ガン死の17%を占め最も多く、世界中で年間130万人ほどがこの疾患で死亡している。日本では2005年の統計で、全ガン死の19%を占め、男性では全ガン死の中で最も多く、女性では大腸ガン・胃ガンに次いで3番めを占めている。
 肺ガンは喫煙歴がある、50才代の男性にもっとも多く見られるが女性の喫煙者の増大とともに肺ガン死も増加している。その他、喫煙と無関係の肺ガンもあるとされ、大気汚染、アスベスト等の関連を指摘されている。
 肺内の気道粘膜の上皮は、たばこの成分などの、発ガン性物質に曝露されると速やかに、小さいながらも変異を生じる。このような曝露が長期間繰り返し起こると、小さな変異が積み重なって大きな傷害となり、遂には組織ががん化するに至る。腫瘍が気管支腔内へ向かって成長すれば気道は閉塞・狭窄し、場所と程度によってはそれだけで呼吸困難を起こす。気道が完全に閉塞すれば、そこより末梢が無気肺となり、細菌の排出が阻害されることにより肺炎を生じやすくなる(閉塞性肺炎)。また、腫瘍の血管はもろく出血しやすいため、血痰を喀出するようになる。一方、気管支の外側への腫瘍の成長は、他の臓器に転移するまでは、それ自体による身体的症状を起こしにくい。

分類
 肺ガンは小細胞肺ガンと非小細胞肺ガンとに分けられる。
●小細胞肺ガン
 小細胞肺ガンは肺ガンの20%程度を占める。喫煙との関連性が大きいとされ、中枢側の気管支から生ずることが多い。
 肺の入口近くの太い気管支にできることが多い。悪性度が高く,急速に増大・進展し、またリンパ行性にも血行性にも早いうちから他の臓器に転移しやすいため、発見時すでに進行ガンである事が多い。
 転移が見られることが多いため、化学療法、放射線療法が行われることが多い。放射線療法、化学療法に対して比較的感受性があるものの、多くは再発するため予後はあまり良くない。
●非小細胞ガン
 @扁平上皮ガン
 扁平上皮ガン(Squamous cell carcinoma)は、気管支の扁平上皮から発生するガン。喫煙との関係が大きく、中枢側の気管支から生ずることが多い。喀痰細胞診では、扁平上皮細胞から分泌されたケラチンがオレンジに染まることが特徴的である。
 A腺ガン
 腺ガン(Adenocarcinoma)は、肺の腺細胞(気管支の線毛円柱上皮、肺胞上皮、気管支の外分泌腺など)から発生するガン。発生部位は肺末梢側に多い。喫煙とも関連するが、非喫煙者の女性に発生する肺ガンは主にこの型である。日本では最も多く見られるガンで、男性の約40%、女性の約70%を占めている。 病理組織学的検査では、ガン組織が腺腔構造(管腔構造)を作っていることが特徴的である。進行は比較的ゆっくりだが、化学療法、放射線療法に対しての感受性はあまりないとされている。
 B細気管支肺胞上皮ガン
 細気管支肺胞上皮ガン(Bronchioloalveolar carcinoma; BAC)は肺腺ガンの亜型で、形態学的に細気管支上皮・肺胞上皮に類似した高分化腺ガンである。全肺ガンの3〜4%を占める。他の非小細胞肺ガンと比較すると若年者、女性に多く、進行は比較的緩徐で喫煙との関連が薄い。
 C大細胞ガン
 大細胞ガン(Large cell carcinoma)は、扁平上皮ガンにも腺ガンにも分化が証明されない、未分化な非小細胞ガンのことである。発育が早く、多くは末梢気道から発生する。
 Dその他の肺原発上皮性悪性腫瘍
 カルチノイド (carcinoid tumor) 、円柱腫 (cylindroma) 、粘表皮ガン (mucoepidermoid carcinoma) など。
 E転移性肺ガン
 全身から右心系に集まってきた血液が肺へ送られるため、血行性転移の好発部位となる。ただし、通常、「肺ガン」といった場合、転移性肺ガンは含まない。

原因・要因
 肺がんの発生率は喫煙と高い相関があるとされ、ガンに罹患するとされる四大原因は以下のものである。
 @タバコに含まれているような発ガン性物質
 A放射線
 B遺伝的感受性
 Cウイルス
 喫煙はガンの最も大きな原因であり、80%の肺ガンが喫煙に由来すると考えられている。また、予防が容易な疾患であるともいわれる。紙巻タバコの煙には、ベンゼンなど百以上もの発ガン性物質が含まれている。1日の喫煙量が多いほど、また喫煙期間が長いほど肺ガンに罹患する可能性は増大する。喫煙を停止すれば、肺の損傷は修復されて着実に発ガンの可能性は減少するとされる。
 受動喫煙は、他の人の喫煙の副流煙を吸引することで、非喫煙者の肺ガン原因の多くの部分を占めると確認されている。
 アスベストは中皮腫の主たる原因であるが、肺ガンの原因でもある。石綿工場に従事、船舶の建造に従事(壁材としてアスベストが用いられていた)、もしくはその近隣に居住歴がある場合は高危険群である。
 ラドンは無味無臭のガスで、ラジウムが壊変すると発生する。ラジウム自身はウランの壊変生成物であり、地殻中で発見される。ラドンは喫煙に次ぐ二番目に大きい原因と考えられており、その放射は遺伝子を電離させ、場合によってはガンに至る突然変異を引き起こす。ラドンガスの濃度レベルは生活している場所によって異なり、坑道や地下室では高濃度で残留する。
 ガン遺伝子はがんに感受性の高い人々がもっていると考えられている遺伝子である。前ガン遺伝子は、発ガン性物質にさらされると、ガン遺伝子になると考えられている。ウイルスもヒトのガンの発生に関与しているといわれている。

症状
 肺ガンの一般的な症状は、血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴、胸痛、嗄声、肩こり(肩から腕にかけての頑固な痛み)、体重減少、食欲不振、息切れなどであるが、かぜなどの症状となかなか区別がつきにくく、進行するまでは無症状であることが多い。

検査
 肺ガンは、検診等で偶然撮影した、あるいは何か症状があって撮影した胸部レントゲン写真・CT検査で異常影が認められ、疑われることが多い。肺ガンの検査には、胸部異常影が肺ガンであるかどうかの確定診断のための検査と、肺ガンの病期(広がり)を決定し治療方針を決めるための検査がある。
 @血液検査
 腫瘍マーカーはガン細胞又はガン化した組織で造られるタンパク質・ホルモン・酵素等の反応でガンの存在を推察する方法で、腫瘍マーカーの高値はガンが存在する可能性が高いといえる。また、治療後の効果を推定する補助となり得る。
 A喀痰検査
 痰にガン細胞が含まれているかどうか調べる。
 B胸部X線
 異常な陰影がある場合、位置、写り方等で大体のタイプがわかる。
 C胸部CT
 X線を当てて身体の横断面を鮮明に画像化することで肺腫瘤の存在をしることができる。肺腫瘤がスピクラ (spicula) 、胸膜陥入像、ノッチを伴う場合、肺ガンの可能性が高い。また肺門・縦隔リンパ節転移の有無、胸水の有無は肺ガンの病期確定に有効である。
 Dポジトロン断層法(PET)
 放射線を生じる物質(ラジオアイソトープ)を含んだブドウ糖を点滴静注し、ガン細胞に取り込まれたラジオアイソトープから発せられる放射線を対外から撮影して、肺腫瘤がガンかどうか、リンパ節および全身に転移がないかどうか推定できる。
 E脳MRI、骨シンチグラフィー
 それぞれ脳転移、骨転移の有無をみる。
 F気管支鏡検査 (bronchoscopy)
 気管支鏡にて中枢気管支を観察し、生検を行う。ただし、気管支鏡は太さが4-6 mm 程度あるため挿入できる範囲が限られ、肺癌が肺末梢に存在する場合異常を観察できないことが多い。その場合、経気管支生検 、経気管支擦過細胞診、気管支洗浄などで肺末梢から検体を採取し、肺ガンの確定診断を行う。
 G経皮肺針生検
 CTを撮影しながら針を直接経皮的に肺腫瘤に突き刺し生検を行い、病理学的に確定診断を行う。

治療
 肺ガンの治療はそのガンの増殖状態と患者の状況(年齢など)により選択される。普通実施される治療は、外科手術(肺切除)、化学療法、放射線療法、免疫療法である。
外科手術(肺切除)
・周囲のリンパ節も取り除く。ガンの場所により片肺ごとの切除を行うが、小さな範囲の切除(区域切除)や部分切除が行われる。対象が限られるが、気管支内の初期肺ガンに対して内視鏡によるレーザー治療が行われることもある。

ガンの広がりがある時は、化学療法を中心に、放射線療法、免疫療法、温熱療法などを組み合わせて行う。

予防
 肺ガン予防としては喫煙の除去第一であり、受動喫煙防止は最も重要な予防策である。
 また、定期的に肺ガン検診を受け早期に発見することが重要である。
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